賢い子どもの育て方[1]

子どもには頭が良くなってほしいです。学校の成績は1番で、沢山の賞をもらって、希望の学校に合格して、給料の良い就職をして、、、?そうしたら安心ですね。なぜかと言うと、こうなってくれたら、子ども自身が幸せな人生を送れると思えるからです。

親の望みは子どもが幸せになることです。そうなる為に子どもの勉強の成績が気になるのです。だから、遊んでないで勉強しなさい、ああしなさいこうしなさいと指図するのです。

しかし、これには大きな落とし穴があります。他人が決めた道を歩いても決して幸せにはなれないという事です。親が決めるものでも、与えられるものでもありません。子ども自身が決めて獲得するしか幸せにはなれないのです。その自分の道を自分で決める為には賢さが必要です。

友人のお子さんで、とても勉学に優秀なお子さんがいます。希望の医大に合格しその学校の寮で一人暮らしをしています。そのお子さんが、ほぼ毎日お母様に電話で「勉強についていけない、僕は落ちこぼれだ、死にたい、死にたい」と言うそうです。

成績も悪くありません。落第もしていません。親御さんにとっては、なんでそんなに悲観的になるのかわかりません。でも、死にたいほど苦しいと訴えるそうです。親としてはこれほど辛い事はありません。

沢山の人といる時は常にトップであっても、優秀な人たちばかりの中では中間層になってしまい、その居心地の悪さが不安になり、自分の存在意義が見えなくなるのだと思います。元々、優しく賢いお子さんです。それでも他人と比較の世界、視野の狭い状態になるとこんな状態になってしまうのです。気をつけなければいけないですね。

賢くなるには全体を俯瞰で見られるような、高い位置から見られる能力が必要です。今の大きな悩みは宇宙から眺めたらとてもちっぽけな事です。しかし、問題の渦の中に巻き込まれていると、目の前の問題にしか目に入らず、周りが全く見えなくなります。

賢さとは、一つの問題を一点で見たり、俯瞰して、数多い事柄の関わりの一つとして見たり、反対側から見たりと色々な視点で見られる事です。

「賢い子どもの育て方2」に続く

2023 年 1 月 31 日
Eis International-PreSchool
園長 峯村敏弘